悲しみを乗り越えて #26
前回までのあらすじ。
6匹いたザリガニは2匹が脱走し、4匹となりました。
水槽の2匹はカップルです。ベランダの2匹もカップルにできるでしょうか。
さて、水槽のザリカップルですが、
落ち着いていることもあれば、
相変わらずオスがメスを追い回す展開も見かけます。
発情期のオスにメスがついていけない、といった感じでしょうか。
ザリーは水槽歴が長いので、私が近づいてもほぼ無反応ですが、
2号は必ず威嚇しながら近づいてきます。
慣れの問題なのか、性格の問題なのか、性別の問題なのか。
ここらへんは、飼育経験を積めばわかると思いますが、
私の予想では、オスのほうが臆病だとにらんでいます。
ですから、性別の問題です。
メスをめぐってオス同士で争うのは、ほとんどの生き物に共通するところであり、
ザリガニも例外ではないようです。
争うことが、本能的に刷り込まれているオスは、
より慎重に、より警戒心を持って生きねば、すぐに殺られてしまいます。
臆病と言えば聞こえは悪いですが、要は、警戒心が強いということです。
これが私の予想です。
さて、ベランダにはオスの1号と、メスの3号がおります。
1号はザリーとのペアリングにかつて2度失敗しており、
我が家で一番大きなザリガニでありながら、まだ繁殖行為を行えておりません。
一方3号は、ザリーよりはひと回り小さいのですが、
先日セメント線が見えましたので、準備は整っているようです。
そこで、1号と3号のペアリングに挑戦です。
季節は11月。気温は18~19℃ほどで、水温も20℃を切っています。
あとは本人たちのやる気次第。
水が茶色いのは、拾ってきた落ち葉を漬け込んでいた水を使ったからです。
この、オスのイジイジした感じと、メスの積極性には既視感があります。
反対じゃないかと思うので、不思議です。
なんだったらメスがオスをひっくり返してますからね。
必ずしもオスが上でメスが下、というわけではないことがよくわかりました。
下からしっかりホールドしています。
ザリガニの目は外に飛び出していますが、
交尾の際に、ハサミが当たって傷ついてしまわないかドキドキします。
しかし、今調べてみたところ、
脱皮によって目も再生する、という記事を見つけました。スゴイですね。
完全に固まっているメスが、長い腹あしだけ、
ファサッ、ファサッと動かしているのには、何か理由があるのでしょうか。
さて、相変わらず長くなりそうでしたので、カメラを置いてその場を離れます。
20分ほど経過したところで、メスが離せや~と尻尾を曲げますが、
オスはその意向を黙殺します。
その後、メスは足を動かしたり触覚を動かしたりして、
離せやのサインを出し続けます。
更に20分が経過して、ようやく解放されました。
40分という相変わらずの長丁場。
そしてそこから10分も経たないうちに、2回目開始です。
2回目は15分ほどでした。
更にそこから15分も経たないうちに、3回目開始です。
3回目は10分ほどでした。
更にそこから10分も経たないうちに、4回目開始です。
その最中に、カメラのバッテリーが切れ、ここで撮影終了となっています。
終わったあともオスの発情はやまず、
アプローチし続けているように見えました。
機械的あるいは事務的な感じはしません。
たかが甲殻類と、侮ることなかれ。
なかなかに情熱的だと思います。
しかしながら、
短時間に交尾を繰り返すことが、理にかなった行為である、
というのなら話は別です。こちらの可能性も十分にありえます。
インターバルの問題ではなく、
今この瞬間、外敵の気配がしない以上、
回数を重ねられるだけ重ねておいたほうが、より受精の確率が上がる、
といったところかもしれません。
つづく。